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警備業界+ダンピング=

以前も警備業界のダンピングについて書いたことがありますが、今回興味深い話を耳にしました。
あまり具体的に書けないのが悔やまれるのですが……。

内容は某有名企業の警備業務に関する入札。
全体で百件以上という、かなりの大口です。

1件あたりにかかる資機材の初期費用が10万円(数字はわかりやすく手を加えてあります)。
人件費や諸経費を含めると、13万というところだそうです。
これ以上が警備会社の取り分になります。

大規模ですから、入札に参加したのは大手の体力のあるところばかり。
どこもよく名を知られた警備会社です。



ここでA社は13万で入札。
儲けなしで、ってところでしょう。

B社は10万
まあ、ギリギリ妥当な範囲でしょうか。
多少の損は覚悟の上ってことですな。

そしてC社……3万
13万じゃないですよ、3万
なんじゃそりゃあ!

マイナス分を会社全体で穴埋めすると言っても、そのぶんどこかを削るからできることです。
警備業界の場合、人件費ですね。警備員の給料。
メーカーから買う資機材などと違って、手っ取り早くギリギリまで削れる。
恐らくこのケースでもそうでしょう。

大手がそれをやるから、中小はなお必死で警備員の給料を削ります。
料金を安く設定することで受注しようとするんです。
そうなれば大手だって料金を安くせざるを得ません。
まさに負のスパイラル。

警備業界の商品は、言うまでもなく警備員です。
それを安いだけが売りにしてどうするんですか。

これではいい人材の入ってこない業界になってしまいます。
当然、質は低下してしまうでしょう。
安心を売る仕事なのに、安かろう悪かろうではお話になりません。

既に場末の警備会社はもちろん、中堅どころでも警備員の質は落ちる一方だとか……。
C社自身は相応の学歴の人間しか採用せず、バイトも雇わないそうですが、給与水準を引き下げ続ければ、そんな状態も維持できなくなるでしょう。
業界全体を地盤沈下させる真似は勘弁してください……。

by keibi-in | 2009-06-28 14:12 | 警備  

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