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ネットも現実も必要なものは同じ

いわゆるプロフサイトでの中傷合戦の末に、金属バットによる傷害事件が起こってしまいました。(関連記事・毎日新聞
これについて「ネットでは安易に個人情報を書き込まないように」と繰り返す向きがあるようですが、果たしてそれは正しい捉えかたなのでしょうか。

もちろん個人情報は慎重に扱うべきです。
でもそれで防げるのは、ストーカーや特定個人を対象にした詐欺などです。
今回の事件では、ある程度発生を抑えることはできたかもしれません。
ただ本質的な回避に必要だったのは、当事者の互いの思慮ではなかったでしょうか。

普通に顔をあわせて悪口を言い合っていたなら、「これ以上やったら殴り合いになる」とどこかで自制が働いたか、その場の武器を持たない状態での殴りあいになったかのどちらかだったはずです。

でもネットだから、相手をとことんまでやりこめようとした。
顔が見えないからそこに人がいるという実感が薄く、相手を傷つけることへの躊躇がなかったのか、それとも実際に殴り合いになるなんてないと高をくくって勢いづいてしまったか……。
そして相手も、ネットだったから武器まで準備する時間が与えられてしまった。



人間には本音と建前があります。
ネットはその匿名性から、本音の出やすい場所でしょう。
また物事に対して、どういうわけか必要以上に攻撃的になる傾向も見受けられます。

でも社会は建前なくしてはやっていけません。
建前というと聞こえが悪いですが、裏を返せば一種の思いやりである場合も多いからです。
そしてネットは間違いなく社会のひとつ。
遠慮会釈なしに言いたい放題では、トラブルにならないほうがおかしい。

どちらかが適当なところで切り上げていれば、きっとこの事件は起こらなかったでしょう。
でもこの事件ではどちらもがまだ子供で、

・ 引き際がわからなかった
・ 相手の心情を汲もうとしなかった
・ ネットだから安全と錯覚していた


これらが積み重なった結果、このような結果に発展してしまったのだと思います。
このうち、「個人情報を書かない」ことと関連しているのは、3つめの点だけです。

このようなトラブルから本当に身を守るには、ネット上でも現実と同等か、こちらの表情が伝わらないぶん、より一層の礼節が必要になる……。
そんなことを再認識させられる事件でした。

by keibi-in | 2008-04-24 16:18 | 雑感  

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