呑んでも走る虎

忘年会シーズンで飲酒検問が増えているようです。
駐車場警備でも、酔って車に戻るお客様を多く見るようになりました。

先日、初老の男性のお客様から声を掛けられました。
かなり興奮した様子で、「停めた車を盗まれた!」とおっしゃいます。

詳しくお話をうかがってみると、軽自動車でいらしたとのこと。
どこのゲートから入って、どう走って、どこに停めたかをはっきりおっしゃるのですが、その軽自動車専用のスペースには確かに車がありません。

お客様はかなり不機嫌です。そりゃ本当に盗まれたならそうでしょう。
でも私がその現場に入るようになって、車そのものを盗まれたというのは初めて。
特に、軽自動車が盗まれるというのはちょっと考えにくい。
警備の入ってる駐車場でやるには、リスクに儲けが見合わないからです。



このお客様、どこに停めたかは具体的なわりに、車のナンバーはまったくわからないとおっしゃいます。
一瞬クレーマーの類が因縁をつけているのかとも思いましたが、自分の携帯の番号を覚えてない人は結構いますもんね。
とりあえずご自宅に電話して、ナンバーを確認するようお願いします。
ところがわかる人が在宅してなかったと、さらに不機嫌に。

本当に盗まれたなら、もう警察に届けるしかありません。
その旨お伝えすると、「いや、それは待て!」

……そうじゃないかとは感じてたんですが、このお客様、近くに寄ると酒臭い。
いわゆる大トラってやつです。
そりゃ警察には言えませんよね。飲酒運転で帰るつもりだったのかと突っ込まれるのが関の山です。

さて、こうなると話は違ってきます。
酔ったせいで、もともと車で来ていないのに車で来たと、勘違いしている場合もあるからです。
もう一度電話してもらって、家に車がないか確認していただこうとしたのですが、するとさらにヒートアップ。

「俺はちゃんと乗ってきて、ここに停めたんだ!」

悪態をつきながら、自分で駐車場内を探し始めました。
どうやら乗っていらしたことは間違いないようです。

そこでお客様には休んでいただいて、駐車場全体を一巡することにしました。
特徴にあてはまる車両をリストアップして、その中にお客様の車がないか見ていただくことにしたんです。
駐車場内は殺風景で目印に乏しいので、どこに停めたかを意識しておかないと見失うことがあるんですよね。

「これだ!」

お客様の鍵が合った車は、最初の話とは全然違う位置にありました。
やっぱり。酔ってるもんなぁ。

お客様はそれまでのヒートアップが嘘のようにおとなしくなり、「すまんかったな」と車内に入られました。
酔いをよく醒ましてから帰るようにお願いして、一件落着。

2時間後には車がなくなってましたが、果たして酔いは醒めたのやら……。
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by keibi-in | 2008-12-22 04:03 | 警備  

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