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インフォームド・コンセント

どんな業界でも多かれ少なかれ、特有の用語や隠語の類はあるものです。
ただ医療用語の場合は、誰にでも関わってくる可能性があります。
極端に理解しづらかったり、誤解を招きやすい語彙は避けなければいけません。
そこで、こんな本の話。

『医療用語:言い換えや分かりやすく説明した手引書発売へ』 (毎日jp)

価格にはちょっと疑問符がつきますが、こういう動きは大歓迎です。
記事中に挙げられているものを覚えておくだけでも、役に立つかもしれません。

ただインフォームド・コンセントの場に立ち会ったことのある人間から言わせてもらうと……。
単語の問題よりも、やり取りの問題なんです、きっと。

医師は医学的なセオリーに沿って、治療方針を立てている。
患者にすれば、知っている中で一番負担やリスクの少ない治療法でなんとかならないかと考える。

一直線に道が繋がっているのに、規制上、迂回でしか行けない目的地があったとしましょう。
その規制を知っていて、道順を考えるのが医師。
目的地が見えてるのに、まっすぐ行けないの?と考えるのが患者です。

多くの医師は別の治療法について患者から尋ねられると、いい気がしないようです。
やり方に口を挟まれて腹立たしいのかもしれませんが、患者のほうはまっすぐ行けないことを知らないから聞くだけなんですよね。
どうしてその治療法に決まったのか、他じゃダメなのかを確認しておきたいだけなんです。
ともすれば、命にかかわることなんですから。

インフォームド・コンセントでは、言葉の難解さもさることながら、医師にとって当たり前の処置も患者には選択肢のひとつにしか見えていない、というところに意識を割いて欲しいのです。

by keibi-in | 2009-03-12 01:02 | 雑感  

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